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今回はIT導入補助金の2023年度とIT導入補助金2024年度の違いについて解説します。
IT導入補助金とは
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者等の労働生産性の向上を目的としてしており、業務効率化やDX化(デジタルトランスフォーメーション)等に向けたITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援している補助金です。
基本的に対象となるITツール(ソフトウェアやサービス等)は、事前に事務局の審査を受け、IT導入補助金ホームページに「ITツール・IT導入支援事業者」として公開(登録)されているもののみとなります。
IT導入補助金申請者(中小企業・小規模事業者等)は、IT導入補助金事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで申請することが必要となります。
IT導入補助金2023年度の対象
IT導入補助金2023年度の対象となるのは
- 直近3年の課税所得平均が15億円以下である。
- 決算期を一度以上迎えている。
- 事務局が認めたIT導入支援者とパートナーシップを組んでいる。
- 資本出資割合及び役員の多くを大企業が占めていない(法人事業者のみ)
大きくこの4つの条件を満たす中小企業や小規模事業者や個人事業主が
IT導入補助金2023年度の申請が可能でした。
IT導入補助金2023年度の申請枠について
IT導入補助金2023年度には3つの申請枠があります。
- 通常枠(A・B類型)
IT導入補助金2023年度のなかで最も一般的な申請枠であり、業務効率化・売上アップのためのITツール導入をサポートするものになります。
対象経費は、ソフトウェア購入費、クラウド利用料(クラウド利用料最大2年分)、導入関連費になります。
A類型
機能要件が1プロセス以上となっており、補助額が5万円~150万円未満となっています。
従来と比べ補助額が引き下げられたことにより、個人事業主の方も使いやすくなりました。
B類型
機能要件が4プロセス以上となっており、補助額が150万円~450万円以下となっています。 - セキュリティ対策推進枠
サイバーインシデントが原因で事業継続が困難になる事態を回避するとともに、近年高まっているウイルスや不正アクセス・情報流出のようなサイバー攻撃のセキュリティリスクの低減を目的とした申請枠であり、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「サイバーセキュリティお助け隊サービス」に登録されているサービスの導入をサポートするものになります。
- デジタル化基盤導入枠(デジタル基盤導入類型)
新型コロナウイルス感染症等の影響を受けつつも、生産性向上に取り組む中小企業や小規模事業者・個人事業主を支援するとともに、インボイス制度に対応した、会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECサイト等のITツールの導入をサポートするものです。
機能要件は、会計・受発注・決済・ECとそれらのITツールの仕様に資するものとなっています。
対象経費としては、ソフトウェア購入費、クラウド利用費、ハードウェア関連費、導入関連費となります。
補助額に関しては、ITツールの場合、最大350万円であり、PC・タブレット等は最大10万円、レジ・券売機は最大20万円になります。 - 商流一括インボイス対応類型
中小企業や小規模事業者・個人事業主の労働生産性の向上及びインボイス制度への対応を促進するために、取引先である発注者が、インボイス制度対応のITツールを導入し、受発注である中小企業や小規模事業者・個人事業主に対して支援事業者の登録されているITツールを販売する場合に、その導入費用の一部をサポートするものです。
機能要件は、インボイス制度に対応した受発注の機能を有しているものであり、かつ取引関係における発注側の事業者としてITツールを導入するものが、当該取引関係における受発注側の事業者に対してアカウントを無償で発行し、利用させることのできる機能を有するものであることとなっています。
補助額に関しては、最大350万円です。 - 複数社連携IT導入類型
業務上繋がりのある「サプライチェーン」や特定の商圏で事業を営む「商業集積地」において、一斉にデジタル化やDX化を進めることも重要であるとの認識のもと、サプライチェーンや商業集積地の複数の中小企業・小規模事業者等が連携してITツールを導入することをサポートするものです。
このようにIT導入補助金2023年度は導入するITツールによって申請枠が様々あります。
IT導入補助金2024年度と2023年度での変更点
IT導入補助金2024年度は以前のIT導入補助2023年度のものと変更点が大きく2つあります。
まず1つ目は、IT導入補助金2023年度にはあった「デジタル化基盤導入枠」がなくなりました。
2つ目はECサイト関連を申請することができなくなりました。
以下にこの2点について詳しく解説していきます。
- 「デジタル化基盤導入枠」の消滅
IT導入補助金2023年度にはあった、「デジタル化基盤導入枠」はIT導入補助金2024年度の公募からなくなりました。
「デジタル化基礎導入枠」がなくなった代わりに、IT導入補助金2024年度では「インボイス枠(インボイス対応類型)」 「インボイス枠(電子取引類型)」が新設されました。
インボイス枠とは
生産性向上に取り組む中小企業や小規模事業者・個人事業主を支援し、インボイス制度に対応するための企業間の取引のデジタル化を強力に推進するためにIT導入補助金2024年度から新設されました。
インボイス対応類型
機能要件は、会計・受発注・決済とそれらのITツールの仕様に資するもの(PC・タブレットやレジ・券売機)となっています。
対象経費としては、ソフトウェア購入費、クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)、ハードウェア関連費、導入関連費となります。
補助額に関しては、ITツールの場合、最大350万円であり、PC・タブレット等は最大10万円、レジ・券売機は最大20万円になります。
電子取引類型
機能要件は、インボイス制度に対応した受発注の機能を有しているものであり、かつ取引関係における発注側の事業者としてITツールを導入するものが、当該取引関係における受発注側の事業者に対してアカウントを無償で発行し、利用させることのできる機能を有するものとなっています。
対象経費としては、クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)だが、契約する受注側のアカウント総数のうち、取引先である中小企業・小規模事業者等に供与するアカウント数の割合を乗じた額が補助対象経費となります。
補助額に関しては、最大350万円です。
IT導入補助金2023年度のデジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)に代わるものとなっています。 - ECサイト関連が申請不可に
IT導入補助金2023年度では申請可能であった、ECサイトの制作費やECサイト利用費や導入関連費について補助金申請することが、IT導入補助金2024年度からは申請不可になりました。
まとめ
このようにIT導入補助金は2023年度と2024年度で違いはありますが
中小企業や小規模事業者・個人事業主にとって、労働生産性を向上させること可能です。
現時点ではIT導入補助金2023年度の公募は終了しており
IT導入補助金2024年度の公募が開始されています。
IT導入補助金2024年度の申請を検討している事業者様はぜひお問い合わせください。