[事業再構築補助金] 事前着手

コラムをご覧いただきありがとうございます。

事業再構築補助金の特徴として、事前着手承認制度というものがあります。
コロナ禍で多大な影響を受け、早期に事業再構築に取り組みたいと考えている事業者様も多くいらっしゃることでしょう。

今回は事前着手承認制度について解説していきます。

◆事前着手の制度とは

多くの補助金は、補助金の交付決定後に事業経費対象となるものの購入や発注を行うことが原則となっています。
しかし、事業再構築補助金にて事前着手の承認を受けた場合は、交付決定前であっても
令和3年12月20日以降に購入契約(発注)等を行った経費も補助対象経費とすることができることとなっています。

ただし、交付決定前に事業着手が承認された場合であっても、補助金の採択は約束されません。
また、事前着手の承認を受けた場合であっても、交付申請手続きは必要です。
事前着手承認後に発注等を行った経費であっても、交付申請時に事務局が申請経費の内容等を確認した結果、
補助対象とならない場合がありますのでご注意ください。

◆事前着手申請書

事前着手申請制度に申し込むためには、本事業の申請とは別にjGrantsにて申請を行います。

事前着手申請書で記載が求められる主な内容は、以下の4つです。

① 会社概要(特に新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業の概要)
② 事業計画の概要
③ 新型コロナウイルス感染症の影響の長期化による事業活動への影響
④ 事業開始が遅れた場合に生じ得る影響

それぞれ300字以内で完結に記載することが求められています。

事前着手申請書で記載する内容の多くは、応募申請で提出する事業計画書に記載されたものと重複していますので、作成した事業計画書を簡潔に要約すれば作成することができます。

① 会社概要
ここでは会社概要を記載しますが、複数の事業を営んでいる場合は、特にコロナ禍の影響を受けている事業や事業再構築を目指す既存事業について記載してください。
ただし、コロナ禍による影響は下記の③で記載しますので、ここで詳しく記載する必要はありません。記載する内容としては、【沿革や企業理念など】を説明するとともに、特にコロナ禍の影響を受けている【現在の事業の状況】を記載すると良いでしょう。

② 事業計画の概要
記載する内容としては、【事業の目的】、【取り組みの内容】、およびその【具体的な投資内容】(投資総額、発注予定年月、稼働開始予定年月)の3本建てで記載すると、簡潔かつ分かりやすく事業計画を要約することができます。
「事業再構築補助金を活用して行う取組の具体的な投資内容(投資総額、発注予定年月、稼働開始予定年月等)」は必ず記載することが求められていますので忘れずに記載しましょう。

③ 新型コロナウイルス感染症の影響の長期化による事業活動への影響
まず、【コロナ禍による事業の影響】をコロナ禍前の事業の状況と比較して定量的に説明すると良いでしょう。加えて、【今後の見通し】についても記載します。それらを踏まえたうえでの【対応方針】を簡潔に記載すると分かりやすくまとめることができるでしょう。

④ 事業開始が遅れた場合に生じ得る影響
上記①から③までは、事業計画書に記載されている内容を要約することで対応できる場合が殆どです。しかし、この「事業開始が遅れた場合に生じ得る影響」については事業計画書には記載されていない場合の方が多いと思います。
ここでは「事前着手が承認されず、②の事業計画に沿った投資が遅滞した場合に、どの程度の損失が発生するのかを具体的に記載」することや「損失金額の算出根拠も併せて記載」することが求められています。
事業着手申請制度は早期の事業再構築を目指すものですので、ここではその目的に合致するよう早期の事業開始の必要性について説明しましょう。
具体的には、【現状が継続した場合の見通し】とその【回避策】を記載します。その上で、【投資が遅れた場合の損失額】を記載すると説得力を増すことができます。
損失額の算定根拠は、事業計画書で算出した事業計画のうち営業利益を活用すると良いでしょう。

◆最後に

いかがだったでしょうか。

今回の記事では、事前着手承認制度について解説しました。

今後も経営に役立つ情報を随時発信していきますので、是非ともチェックしてください。