[事業再構築補助金] 公募要領

コラムをご覧いただきありがとうございます。

今回は「事業再構築補助金の公募要領」についてご説明します。

◆公募要領とは

公募要領とは、「事業再構築補助金」の公募に際してのルール・規則を定めたもので
公募要領の内容・構成は、以下のようになっています。

①事業の目的
➁補助対象者
③補助対象事業
④補助対象経費
⑤補助の内容
⑥申請手続き(受付期間、提出先、提出資料など)
⑦採択審査(審査方法、審査基準など)
⑧その他(補助事業終了後の実地検査、補助金の適正利用に関する注意点など)

特に重要なのが①、③、⑦の各項目です。
①目的と③対象事業は補助金の基礎となる部分で、
まずはこれにマッチしていることが採択の最低条件となります。

そのうえで⑦審査基準沿った事業計画を立てれば、
採択率を大きく上げることができるでしょう。

◆事業再構築補助金の申請要件

事業再構築補助金に申請するためには、以下の3つの満たすべき要件が公募要領に記載されています。

・コロナの影響で売上が減少しているのを証明する
・新分野展開、業態転換、事業転換、業種転換、事業再編のいずれかに取組む
・認定支援機関と事業計画を策定する

事業再構築補助金は、コロナの影響により売上が減少した事業者の新しい取組を支援する補助金です。
そのため、売上が減少したことを証明するために確定申告書の提出が必要となるほか、
売上を上昇させられる計画を事業計画書で説明できなけれなりません。

また、事業再構築補助金を利用するには、
認定支援機関という中小企業支援の専門家に依頼して事業計画を練るのが必須の要件です。
認定支援機関に相談をしてみて同業の人がどのように展開して採択されたかを聞いてみると良いかもしれません。

◆審査項目を満たす内容

事業再構築補助金の事業計画書において、前述の様式よりも重要なことは
「審査項目を満たす内容になっているか」ということです。

事業計画書の作成にあたって、公募要領における各審査項目に対応していることを一つひとつ確かめておきましょう。

【事業再構築補助金の全ての枠で共通する審査項目】
・事業化点
・再構築点
・政策点

事業計画書を作成する際は、各審査項目に目を通し、それに応じた内容になっているかどうか
これが最も重要な点なのです。

それでは、公募要領における各審査項目について見ていきましょう。

●事業化点
実施体制や資金調達含めた財務状況などから、採択後に提出した計画を適切に遂行できるかを審査する項目です。この項目では、市場分析の正確性や事業計画の妥当性、補助事業としての費用対効果など、事業として実施する上で必要な要素を確認されます。

【事業化点における事業計画書の確認項目の例】
・事業実施のための体制から、補助事業を適切に遂行できると示せているか
・資金調達を含めた財務状況などから、補助事業を適切に遂行できると示せているか
・市場の規模やニーズなどの事業化に向けて必要な調査ができていると示せているか
・競合他社と比較した価格的・性能的な優位性を示せているか
・事業化に至るまでのスケジュールが妥当であることを示せているか
・事業計画をすすめるにあたって起こりうるリスクとその解決策を示せているか
・自社の人材や技術などの強みを活かした、費用対効果の高い補助事業であると示せているか

事業化に向けて必要な調査ができていると示したい場合は、統計データをもとにした市場分析や詳細な顧客情報が事業計画書にあるかどうかがポイントとなってきます。

●再構築点
事業再構築指針に沿った取組みであることや、事業再構築の必要性があることなどを審査する項目です。この項目では、申請する事業再構築の定義を満たしていることや、新型コロナウイルスの影響で深刻な被害がでていることなどを確認されます。

【再構築点における事業計画書の確認項目の例】
・申請する事業再構築の要件を満たしていることを示せているか
・コロナの影響で深刻な被害が生じていると示せているか
・事業再構築の必要性や緊急性を示せているか
・自社の強み・弱み、市場環境における機会・脅威などの分析内容を示せているか
・分析結果を踏まえて現在ある資産の最適化を図る取組だと示せているか
・先端的なデジタル技術や新しいビジネスモデルを示せているか
・地域のイノベーションに貢献しうる事業だと示せているか

コロナの深刻な被害を示せているか確認したいときは、コロナ前後の売上高や来客数など、事業収益に関わる情報が事業計画書にあるかがポイントです。ビジネスモデルやデジタル技術など、その他にもアピールできることがないか探してみましょう。

●政策点
事業再構築をすることによって、今後の日本経済の成長や構造転換につながるかを審査する項目です。活用する技術の経済成長への影響や、グローバル市場で通用する潜在性、事業が及ぼす地域への経済的波及効果などを政策点では確認されます。

【政策点における事業計画書の確認項目の例】
・今後より生産性の向上が見込まれる分野に事業再構築することを示せているか
・日本の経済成長を促す技術を活用していることを示せているか
・コロナの影響からV字回復を達成するために有効な投資内容だと示せているか
・ニッチな分野でグローバル市場でもトップの地位をとれると示せているか
・雇用の創出や地域の経済成長につながる事業だと示せているか

日本の経済成長を促す技術を活用していることを示したい場合は、先端的なデジタル技術や低炭素技術などの技術の活用方法について、事業計画書に盛り込めているかがポイントとなります。事業計画の中に経済成長につながる内容があるか探してみましょう。

◆最後に

いかがだったでしょうか。

今回は「事業再構築補助金の公募要領」についてご説明しました。

事業再構築補助金の準備をする方はぜひ参考にしてみてください。
今後も経営に役立つ情報を随時発信していきますので、是非ともチェックしてください。