[事業再構築補助金] 圧縮記帳

コラムをご覧いただきありがとうございます。

事業再構築補助金では、令和3年8月から圧縮記帳が認められるようになっています。
これによって、補助金に対して初年度に大きく課税されることはなくなりました。

しかしながら、「圧縮記帳っていったい何だ?」「どんなメリットがあるの?」
というように圧縮記帳に対して、あまりご存じない方もいらっしゃるはずです。
今回は、事業再構築補助金で適用になる圧縮記帳について解説していきます。

◆そもそも圧縮記帳って?

圧縮記帳とは、補助金を受け取ったときに当年に多額の課税をされるのを防ぎ、
翌年以降に課税を先送りする制度のことをいいます。

原則として、補助金や助成金は課税対象となりますが、
固定資産の購入の場合、すぐに事業に対する効果を発揮する可能性は低いので、
当年に大きく課税されると経営が苦しくなる可能性があります。

そこで圧縮記帳を活用し、翌年以降に課税を繰り延べて、
固定資産購入の効果が出始めたときに税金を払ってもらうということになります。
ただし、圧縮記帳はあくまで課税を先送りするだけであって、
免税制度ではないので注意が必要です。

◆事業再構築補助金での圧縮記帳

事業再構築補助金では圧縮記帳が認められることが、中小企業基盤整備機構より令和3年8月11日に正式に発表されました。

中小企業等事業再構築促進補助金は、独立行政法人中小企業基盤整備機構から補助対象者に交付されるものであり、直接的には国から補助対象者に補助金が交付されるものではないため、圧縮記帳等の適用可否について、中小企業庁を通じて国税庁に確認を行っておりました。その結果、今般、本補助金については、所得税法第42条又は法人税法第42条に規定する国庫補助金等に該当し、本補助金のうち固定資産の取得に充てるための補助金については、圧縮記帳等の適用が認められる旨の回答を受領致しましたので、ご案内申し上げます。
※本補助金のうち、技術導入費、専門家経費等の固定資産の取得以外に充てられた部分の金額については、所得税法第42条又は法人税法第42条の規定の対象外のため、圧縮記帳等の適用は認められませんので、ご注意願います。
(中小企業等事業再構築促進補助金における圧縮記帳等の適用について 独立行政法人中小企業基盤整備機構)

圧縮記帳は基本的に、国や自治体が直接交付する補助金や助成金が対象です。
事業再構築補助金は独立行政法人中小企業基盤整備機構を通じて交付されるので、
「圧縮記帳の対象とはならないのではないか?」との懸念がありました。
しかし、正式に国税庁からの回答を経て、圧縮記帳が無事に認められることになりました。

◆圧縮記帳が認められる経費

事業再構築補助金では幅広い経費が対象となっていますが、
残念ながら全ての経費で圧縮記帳が認められるわけではありません。

圧縮記帳が認められる経費:固定資産(建物、設備など)
圧縮記帳が認められない経費:技術導入費、専門家経費等の固定資産以外の経費
固定資産を伴わない事業再構築補助金の場合、初年度に大きく課税される可能性があるので、注意しましょう。

◆最後に

いかがだったでしょうか。

今回の記事では、事業再構築補助金で適用になる圧縮記帳について解説しました。

今後も経営に役立つ情報をお届けしますので、是非ともチェックしてみてください。