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事業再構築補助金は、中小企業や中堅企業がポストコロナ時代の新たな経済環境に適応し、成長を図るために設けられた重要な支援策です。第13回事業再構築補助金の公募が令和7年1月10日から始まりました。本コラムでは、公募の概要や注意点、活用方法について解説します。
第13回事業再構築補助金の全体像
事業再構築補助金の目的は、新市場進出や事業転換など、大胆な事業再構築を通じて経済の活性化を図ることです。第13回公募では以下のポイントが重要です。
- 公募スケジュール
- 公募開始:令和7年1月10日
- 応募締切:令和7年3月26日18時
- 採択発表:令和7年6月下旬から7月上旬
- 対象事業者 事業再構築指針に沿った「新市場進出」「業態転換」など6つの類型に該当する事業計画を有する事業者が対象です。金融機関や支援機関と連携し、計画の確認を受けることが求められます。
- 事前着手制度の廃止 事前着手制度が廃止されたため、交付決定前の経費は全て補助対象外となります。
- 補助金額と補助率
- 中小企業の場合、通常類型で最大1,500万円から6,000万円の補助が受けられます。
- GX進出類型では、グリーン成長戦略に沿った事業展開を目指す事業者に対し、最大1億円の補助が提供されます。
補助金申請の要件と審査基準
事業再構築補助金に申請するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 共通要件
- 付加価値額の年平均成長率3~4%の達成
- 計画策定における金融機関または認定支援機関からの確認
- 類型別要件
- 成長分野進出枠:市場規模が10%以上拡大する業種での新規事業
- GX進出類型:グリーン成長戦略14分野の課題解決に寄与する事業
- コロナ回復加速化枠:最低賃金引上げの影響を受ける事業者への支援
- 審査基準 審査は書面および必要に応じて口頭で行われ、事業の実現可能性、地域経済への波及効果、新規事業の優位性が評価されます。
また、審査では持続可能性や社会的意義も重視されます。例えば、地域のサプライチェーン強化や環境負荷低減に資する取り組みを行う場合、評価が高くなる傾向があります。
活用事例と成功のポイント
事業再構築補助金は、さまざまな業種・業態で活用されています。以下は活用事例の一部です。
- 製造業の新分野展開 半導体製造装置を応用し、洋上風力設備の部品製造を開始。
- 小売業の業態転換 米卸売業者が米加工品の製造販売に進出。
- 飲食業の新市場開拓 地元食材を活用した冷凍食品の開発・オンライン販売を開始。
成功するためのポイントは、以下の3点です。
- 明確なビジョンを持つ 新規事業のターゲット市場や成長可能性を具体的に示す。
- 計画的な準備 公募開始前にGビズIDを取得し、関係者との連携体制を整える。
- 事後フォローアップの意識 補助事業終了後も長期的な成果を見据えた運営計画を立てる。
また、専門家のアドバイスを受けることで、申請書の完成度を高め、審査通過の可能性を向上させることができます。
補助対象経費と注意点
事業再構築補助金では、建物費、機械装置費、広告宣伝費などが補助対象となります。ただし、従業員の人件費や旅費などは補助対象外です。また、補助金で取得した資産は厳格な管理が求められます。
特に注意が必要なのは、事業計画の信頼性です。虚偽の内容が含まれる場合、補助金の返還や法的措置が取られる可能性があります。
さらに、補助事業の終了後も5年間のフォローアップが義務付けられているため、計画実施後の継続的な運営体制を確立することが必要です。この期間には、補助金で購入した資産の状況報告や、事業化成果の確認が求められます。
まとめ
第13回事業再構築補助金は、ポストコロナ時代の企業成長を後押しするための重要な施策です。事業者が新たな市場や業態への挑戦を目指す際に、この補助金は大きな助けとなります。
応募に際しては、事業計画の策定や事前準備を徹底し、補助金の審査基準を満たすことが求められます。また、長期的な視点での計画運営が成功の鍵を握ります。
事業再構築補助金を最大限に活用し、企業の未来を切り拓くための第一歩を踏み出しましょう。適切な準備と柔軟な発想が、事業の成功を左右するポイントです。